おはこんばんちは。
好きなジブリ映画は「もののけ姫」のばいろんです。
「みんな小さくばかになりつつある」というおっことぬしのセリフの汎用性は高い。
さて津軽三味線の皮は犬の皮が一般的ですが、初心者さんには管理の簡単な人工皮をおすすめしたい。理由もあわせて説明してみたよ。迷っている人は要チェック!
三味線の皮のあれこれ
三味線の皮といえば「猫皮」のほうが一般的には知られていますが、現状では犬皮のほうが使用率は高い。猫皮は現在、入手が困難=貴重で高価となっており一部の細棹三味線と中棹三味線にしか利用されていない。
一方、太棹三味線ではもともと犬皮を使うことが多かった。猫の皮は大きさが小さいのと耐久性の問題である。
津軽三味線は太棹なので犬皮が一般的だよ。
細棹でも練習用の三味線は犬皮が多く、裏側は犬皮を張るなど猫皮よりも犬皮のほうが利用頻度は高め。
その他カンガルー皮が最近では登場している。これは猫や犬の皮の代用品として生まれたもの。手に入りやすく、量産が可能(カンガルーは大きいから皮もいっぱいとれる)、丈夫で扱いやすいという点で将来性のある皮ではないかと思われる。
音の違いついてのべていると長くなるので省略~。
とにかく猫の皮は高価、犬の皮も今後は入手が困難になっていく可能性があるね。(動物愛護の観点などから)
ペンギンの皮じゃなくてよかったね!
羊の皮も登場したらしいからヤギ皮もあるんじゃ?!
ガクガクブルブル
人工皮(合皮)とは
字の通り人工的につくられた皮のこと。(初めて人工皮を作った人は誰なのでしょうか?ググってもわかりませんでした)種類がいくつかあります。有名どころでは「リプル」「白峰(はくほう)」「響(ひびき)」あたりでしょうか。(それぞれについては後述)
音はまだまだ犬皮には劣るとされていますが、どんどん進化を続けている分野ではあります。
初心者には人工皮をおすすめする理由
管理が楽である
人工の皮は破けにくく、湿気や温度の心配をしなくて大丈夫。一回張ればほぼノーメンテナンスで何年も使い続けられるのだ。
一方、犬皮は湿度や温度の管理は必須。破らずに使い続けることは困難である。どんなにメンテナンスに気を配っても破れるときは破れる。動物の皮なので個体差もあり、耐久性や張り方のテンション、湿度によっては張ってすぐに破れる可能性もある。
特に湿度には弱い。梅雨時期の湿度対策は必須にゃり!結露や乾燥にも注意が必要。要するに1年中気が抜けないにゃり。
安い!
長持ちするということはメンテナンス代があまりかからないということ。
犬皮の両面張替えで3万円以上。破けたら片面でも2万円~4万円ほどかかるメンテナンス代。津軽三味線は皮が大きいからか張替え代も高め。
さらに近くに三味線店がなければ郵送で張り直しを頼まねばならず、送料もかかるし三味線が手元にない期間も生まれるよ。
皮の心配をせずに練習に集中できる
初心者さんは特に犬皮の扱い方もまだわからないことが多く、試行錯誤中。検索して保管方法を調べたり、過剰に心配したり練習に集中できない可能性も。
人工皮なら何の心配もご無用。
部屋に三味線を出しっぱなしにしておいてもOKだよ。もちろん直射日光・火気・水の近くはダメよ。
えー、邪魔なんですけど。
どうせ音の違いはまだわからない
先生方が「犬皮のほうが音がいい。人工皮では本物の音をだせない。」とおっしゃるのは分かる。
でも初心者さんはそもそも三味線をちゃんと鳴らすこともままならない状態なわけで。人工皮だろうと犬皮だろうとへっぽこな音に変わりはない。
「初めから本物の音を」と思っている人は、実際に目隠しをして、どっちが本物の犬皮三味線でしょうかクイズをしてみるとよい。たぶん明らかにこれだ!とはわからないのではないだろうか??
耳が肥えてくるのは練習を積み重ねてから。初めは人工皮で十分。
先生が弾いていれば人工皮でも上手に聞こえるものであ~る。逆に言えば、犬皮でも猫皮でも下手くそな人が弾けばいまいちな音しかでない。
皮の張替えはいつでも可能だということ
始めに人工皮を張ったとしても、その後犬皮に張り替えることは可能。ここが楽器購入とは違うところで、思い立ったら変更可能というのは魅力的である。
犬皮にしたけどすぐに破れたから人工皮へという逆パターンもありかと。
始めはメンテナンスの心配のない人工皮で練習を積みかさねて、三味線歴3周年くらいで晴れて犬皮デビューするというのはいかがだろうか?
人工皮のデメリット
音が犬皮には及ばない
と一般的には言われている。
動物の皮は厚さが均一ではなく厚い部分と薄い部分が混在している。この均一ではないところが特有の音の響きとなって三味線の音色を形成しているらしい。
人工皮は人工的につくられたものなので厚みも均一であるし、やはり動物の皮とは違い人工的な音といわれれたらそうであるとも言える。
どうしても音にこだわりたい方は初めから犬皮でもなんら問題はない。もしくは丈夫と言われているカンガルー皮を張ってみてもいいかもしれない。
管理が楽で音もよさげなら試してみたいなカンガルーちゃん、かわいいし。
いや皮にしちゃってる時点でかわいいも何もないぞ!
人工皮も改良が進んでおり、音の違いも犬皮との差が縮まりつつあると言われている。
自分の音のしょぼさは皮の問題よりも、腕の問題ととらえたほうがいいよ。
叩き心地が固い
実際に弾き比べていないので実体験ではないが、人工皮は固めで力がないと叩きにくい・手を痛めがちなどと言われている。皮の固さは張り方にもよるので一概には言えない部分ではある。
人工皮のメーカーさんによって違いもあると思われる。
ばいろんの皮は表面がザラザラでよく猫の毛がふわっとくっついたりしているよ。
いやそれはおたくの管理の仕方の問題だろう!
ただ固いから手を痛めるという部分に関しては気にしなくていいと思う。なぜなら初心者は犬皮でもたぶん最初は手を痛めるから。皮がなんであろうと正しい手首の動きを習得するまではどこかしら手を痛めるはずなのだ!
違った視点からの人工皮のメリット
動物愛護精神をつらぬける
外国では動物愛護にうるさい国も多く、三味線の人工皮をわざわざ黒や紺色にして「私は動物の皮は使っていません」というアピールもできる。
三味線の人工皮に紺色や黒色があるのはこのような観点からでもある。日本人的には三味線の皮が黒って?!?!とどうにも慣れない感じがするが、わりと見た目はカッコいい。
若い男の子にはおすすめだよ☆おばさんは白が無難かと思って白にしたけど実はけっこう迷った。
迷ったんかーーい!
移動先で皮がやぶけていた!ということがない
あまり初心者では感じないかもしれないが、飛行機や車での長時間移動中に皮が破けてしまうことは大いにありえる。湿度や結露が発生しやすい環境では犬皮が破けるリスクも高まるのだ。その点、人工皮なら心配いらず。
初心者さんは家とお稽古場くらいしか移動ないけどね。
先生の方針
お教室の先生が絶対に犬皮推進派の場合は犬皮にしよう。
お教室で貸し出ししてくれる三味線は人工皮のものがほとんどのはず。(メンテナンス代や管理のしやすさからみても)なので人工皮、絶対にダメという先生は今は少ないとは思われるが…。
まとめ
津軽三味線はただでさえ、お金のかかる習いごと。皮の張替え代を心配しながら犬皮の管理に時間をとられるよりは、人工皮でらくらく三味線ライフをまずは送ってみることをおすすめする。
とにかく初めは練習に時間を割いたほうがいいよね!
「上手になってきた」「演奏会にでる」「3年間続いた」などの節目に犬皮デビューしてみるのもいいかもしれないのであ~る。
今回も長くなってしまった。お母さんもう寝るからね。
ヤギ皮かぁ・・・カンガルー皮のほう流行りまくれ!
まだその心配してたの??
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