おはこんばんちは。
昔、飼っていたジャンガリアンハムスターが、お昼寝していた私の口の中に足を突っ込んでいったことのあるばいろんです。本当です(動物を愛すがゆえ、ある程度放し飼いの時間を設けていた)。
さて、津軽三味線はツボ(勘所)を押さえて音を出す楽器ですが、そのツボを正確に押さえるのがとっても難しい楽器です。耳を鍛えてツボを外さない!これだけで演奏がワンランク上になることは間違いなし。
津軽三味線のツボ(勘所)とは?
これについては渾身のこちらの記事を見ていただくとして、
正確に正しいツボの位置が固定できない津軽三味線。
その日・その時のコンディションごとに押さえているツボが正しいかチューナーで確認しないといけない楽器ともいえるわけで(駒の位置や糸の状態などの条件によって正しいツボの位置が毎回違ってくる)。
そうは言っても、毎回そんなことをしている人はまれだと思われ。
チューニングを合わせて、いつものツボを押さえたとしても、その音の音程(ピッチ)が正確かどうかは分からないのだよ。本当は。
まぁ駒の位置や糸の状態がものすごい変化をしてない限りはそこまで違いはないと思うけどね。
正しいツボの位置を知るには?
じゃあ、正しいツボの位置を知るにはどうするの?
耳を鍛える!しかないのであります!
耳が良ければ、どんな条件であろうとも正しい音程の音を出すことができる!ツボを外していても修正可能。調弦がズレていてもサッと直せる。
耳を鍛えるには?
絶対音感をお持ちのかたは問題ないが、多くの人は絶対音感がないし大人になってからは絶対音感は身につかない。ので相対音感を鍛えていくことになる。
相対音感とは?
ある音の高さを基準にすれば、他の音の高さを判別できる能力。
ざっくり言うと、ピアノでC(ド)の音を鳴らしてもらったあとに、この音なーんだ?ってやってもらったら次に出された音が何か分かる能力。
逆に絶対音感がある人はピアノで基準の音を出してもらう必要がない。どの音を鳴らしてもすぐに何の音か分かる。
なんと相対音感は誰でも鍛えることが可能。歳をとっていても訓練すれば鍛えることは可能なのだ(持続も可能)。
これは朗報ですぞ。おばさんにも希望の光が!
実は楽器を全くやっていない人でも音感はある。カラオケでこの人音痴だなぁ~と分かる人は音感があると言ってよい。
注*歌が上手に歌えるか?と音感があるか?というのはまたちょっと別。音感があっても音痴な人はいる。音が外れているのは分かるのに、自分で正しい音(声)が出せない人もいるのだ。
耳を鍛えるとは?
耳を鍛えるとは、相対音感を敏感にしていくことと言っていいだろう。音の高さの違いをしっかり見極められるようになれば、曲を聞いただけで耳コピがすぐできるようになる(耳コピするには調や和音についてなども知らないと難しいが)。
耳コピとは聞いた曲の音を聞き取って、楽器でそのまま楽譜なしでも弾けること。
耳が鍛えられていれば、誰かのじょんがら節のいいフレーズを聞いて、そのまま自分の三味線ですぐ弾けるようになる。便利ですな。
自分の好きな邦楽曲を楽譜がなくても弾けるようになったりね。
耳の鍛えかた
津軽三味線をはじめる前に何かしらの楽器をやっていた人は、わりとはじめからツボを正確に探すことが可能。これは相対音感が鍛えられているからである。
どうやって鍛えるのか?
せっかくなので津軽三味線をやりながら耳を鍛えるのがおすすめである。
まずは上手な人の演奏を聴きまくる。できれば生演奏のほうがいいが、YouTubeでも聞かないよりは良い。
音に敏感になること。お稽古では先生の出す音と自分の出す音の音程(ピッチ)が合っているか?常にちゃんと聞くようにする。
なんとなくで演奏しないということが大事
調弦(チューニング)のときに鍛える
一の糸を自分の耳だけで合わせるのは無理なので、まず一の糸はしっかりと自分の合わせたい調子(4本調子など)にチューナーを使って合わせる。調子笛で出来る人はそのほうがベター。
その後、二の糸は一の糸の音を基準にして自分の耳で合わせてみる。
4本調子の二上りなら一の糸をC(ド)にして、二の糸はG(ソ)にするんだよね。
コツはいつもの調子合わせの弾きかたをしてみて、二の糸の音の高さを目指すところにもっていくようにすると分かりやすい。音の高低差から二の糸の高さを判断する。
歌が得意な人は声に出してその音を歌ってみると、音が高いのか低いのかが分かりやすい。
二の糸が合ったと思ったら、チューナーで本当に合っているか確認する!
その後、三の糸も同様に自分の耳だけでまずは合わせ、チューナーで正解しているかチェックする。
毎回やっていれば、いいトレーニングになるにゃり。
曲の中で鍛える
津軽三味線は棹の下のほうへ行けば行くほど、ツボの間の間隔が狭まり、1~2ミリのずれで音程が半音ほど変わることもある。
音程を外しやすいツボ10より下が多く出てくる曲や、フレーズをピックアップして練習する。
そのとき、一音一音ごとに自分がここだ!と思って押さえるツボの音程が正しいかどうか、チューナーで調べてチェックしてみる。
正しい音のツボの位置が分かったところで、その音を自分の耳に記憶させるようにする。正しい音程の音を繰り返し叩いてみて、耳に正しい音を残す。
その後、フレーズ全体で正しい音程を目指す。
音感のある人に聞いてもらう
家族・友人内に音感が優れている人がいれば聞いてもらって、指摘してもらうと良い。自分では合っているつもりのツボも、音感のある人が聞くと「ひぇ~聞くに堪えない!」という感想になることもしばしば。
ばいろんも超初心者時代は六段のツボ16と19あたりのところで母に「そこの音、気持ち悪い~」と指摘されまくったわ。そしてキレた(怒)、懐かしい。
キレたんかい!?
音感がある人が聞けば、その曲をたとえ知らなくても、「なんか音がズレてて気持ち悪い!」ということはわかるのであ~る。
子どもは耳がいいから、ずっと三味線を聞かせていると、曲を知らなかったとしても「そこの音変だよ!」と指摘するようになってくることがあるらしいよ~。
動画に撮ってみてみる
演奏しているときは右手や左手の動きに必死で自分の音がよく聞こえていないという人もいる。動画で自分の演奏を録音してみよう。
冷静に聞くと分かる。自分のツボが甘いことを。
ツボを外していないだけで、100倍くらいは上手に聞こえるものだよ。
100倍も!?100倍理論好きやな。
「ツボを外さない」というのはかなり重要な要素なのは間違いない。どんなに早いパッセージが上手に弾けたとしても、ツボが外れていると聞くに堪えない。少しのツボのずれでも聞いているほうはなぜか不安になるのだ。
他人の演奏を聴いてみる
生演奏でもYouTubeでもいいがたくさん演奏を聞いてみよう。実は三味線演奏でお金をもらっているような人でもツボが甘い人がいることがあったりなかったり。
逆にツボが恐ろしく正確な人も見つかるよ。本当にすごい!
そう、津軽三味線歴が長い人でもツボが甘い人がいたりするのだ(もちろん大会などでは緊張のせいということもある)。特に棹の下のほうの高音のツボはズレているとすぐ分かってしまう。
逆にいうと、技術がまだまだでもツボを外さない!という特技があれば演奏自体は上手に聞こえる可能性が高い。それくらい音程(ピッチ)というのは重要なのである。
目からの情報はないほうが耳がより冴えわたるので、YouTubeでは映像を見ずに音だけ聞くと良いよ。
ツボシールばっかり見ていないで音をよく聞く
ツボシールをはがしましょうと良く言われるのは、耳を鍛えて欲しいからというわけである。ツボのマークがあると人はどうしてもそれに目で頼ってしまう。
目をつぶって演奏したり、ツボの印を隠してみよう。まったく印がなければ、逆に頼るものが耳しかなくなるのだ!
瞳を閉じて~ツボを探すよ~それだけでいい~♬
平井賢さんの名曲使うな!
ただ、耳で音が違っているのは分かっても正確にツボを押さえる技術がそれに伴わないという場合もあるので、ただ目をつぶって練習すればいいというものでもない。
誰かと一緒に演奏する
吹奏楽ではアンサンブルやパート練習をすると、より音程(ピッチ)のばらつきが気になる。それは音程のズレに気が付きやすいから。
津軽三味線でも誰かと一緒に演奏することによって、相手と自分の音がズレていることがより鮮明に分かるようになる。人数の多い合奏よりも、二人で弾いてみたりするほうがズレがより分かりやすい。
相手が自分より上手で音程も正確であればなおよい。というわけでお教室に通うというのは上達には近道となるのである。
耳が鍛えられるのにはどのくらいかかるの?
個人差があるので一概には言えない。が、そんなにすぐには分かるようにはならない。
長年、楽器をやっていれば特別に意識しなくても、ある程度は身につく。しかし、鍛えようという意思をもって臨んだほうが、上達は早まるであろう。
調弦三年、ツボ八年
なんと三味線界には「調弦三年ツボ八年」という格言があるらしい。
ひえぇぇぇぇ~。桃栗三年柿八年とそっくり!くりそつ!
いや、そこ?!どこに食いついてんだよっ!!
要するに「お三味線はとっても修得にお時間がかかる楽器ですわよ」という感じでしょうか。
調弦が分かってくるのに三年、ツボを極めるのに八年くらいはかかる感じだろうか?もちろん個人差が色々あるが、割と時間はかかるものと思って焦らずに。
さらに、曲中では「チューナーでぴったり音程のあうツボから少しずらした音をわざと出す」というなんとも職人芸な技もあるらしいのでやはり耳は鍛えなければならない。
吹奏楽でいつの間にか鍛えられていた我が耳
ばいろんが吹奏楽を始めたばかりのころは、チューニングが苦手であった。全く音の高低がわからず、チューナーがないと何も分からない状態であった。
それでもある程度続けているとだんだんと、チューニングの音(基音)と自分が合っているかどうか?くらいは分かるようになってくる。が、その先は永遠に分からないように思えた(自分と基音が合っていないのは分かるが、自分が高いのか?低いのか?は全く分からない状態)。
しかし、20数年の経験を経て(学生時代は毎日だが、大人になってからは練習もせず、週に1回の合奏に出るだけという状態で)、チューニング以外の音でも音程が合っていないのが分かるようになり、他のパート(楽器)の音程が合っていないのも分かるようになった。
津軽三味線にも耳が活かせる
吹奏楽で何となく鍛えられていた耳が、津軽三味線でも活躍している。調弦は耳でやってもほぼ合っているし、他人の調弦がズレていることも分かる。
でもはっきり高い低いは言えないときもある。ものすごく差がないと分からない場合が・・・
20数年の時を経てそれなの?!
だが、ツボが外れているのはすぐ分かる。他人も自分もツボがズレていたら気持ち悪いと感じる。ただ正しいツボを曲中にかっちり押さえるという技術がまだない。
耳の成長(?)には個人差があるが、ツボを正確に音を外さない!という意識をもって練習するかしないかはとても大きな違いになると思うので、意識をもって練習に臨むことが大切である。
まとめ
本番はチューナーに頼り切って、正確な調弦で挑むようにね!
調弦が狂いやすいのと、ツボの位置がズレることがあるという2つの側面があるから、難しいよね。
耳を鍛えておかないと、いくら演奏技術が高まっても最終的にはいい演奏が出来ないのであ~る。
じゃ、お母さんもう寝るからね!耳はいいほうだから悪口は全部聞こえてますからね。
いるいる、そういう人!
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