おはこんばんちは。
お雑煮と栗きんとんが好きなばいろんです。
さて前回の津軽三味線の前撥とは?~前撥の沼にはまる初心者~に引き続き津軽三味線の前撥をどのように習得していったらいいのか?を初級者の目線から考察してみましょう。
津軽三味線の前撥にいつから取り組むか?
前撥は後ろ撥に比べたら特殊技術ということになるが、多くの曲で出てきてしまうのが前撥ちゃん。いつから取り組めばいいのだろうか?
カッコよく前撥決めたいよね
後ろ撥がきちんと出来るようになってから
後ろ撥がある程度きちんと力強く叩けるようになってから、前撥に取り掛かったほうが良い。
なぜなら、後ろ撥をある程度きちんと叩けるようになっていれば「撥の持ち方」「楽器の構え方」「右手の振り方」の3つがだいぶしっくりきているはずだから。
この3つがしっくりきていないと、どうにも安定しない。安定しない状態で前撥に入ると手首痛めがち。
具体的にどれくらいの期間でこれがしっくりくるかは人によるが、参考までにこちらの記事をどうぞ。
もしくは最初から
先生のよっては最初から後ろ撥・前撥をきちんと教えてくださって、初めからきちんと癖をつけていこうという指導方法もある。
自分はこれはおすすめしないけど、どちらがいいのかは人による。
最初からやっておけば「あとで変な癖などを修正しなくて済む」というメリットを上げる人が多いが、そんなに癖がつくほど後から習うわけではないので気にしなくていい気がする。
それよりも、まず自転車でまっすぐ走れないのに、超絶S字カーブの曲がり方も同時に教わるようなものだからね。無理だよね。
なんで自転車に例えた?わかりにくいわ!!
段階的に簡単なものから習得していったほうが何事もスムーズだと思うが、正解は一つではないのでそこは臨機応変に。
ちなみに前撥を習得する前に曲を習っても全然問題ない。後ろ撥だけで弾き切ればよいのだ。まずは後ろ撥がきちんと曲中でも強く叩けるようになることのほうが重要。
前撥の習得方法
前撥はまだやらなくていいですよ。と言われても早くやりたくなってしまうのが人のサガ。
まずは撥を前の方に動かす練習
後ろ撥の位置から叩く位置を前の方へずらす練習をする。なるべく胴の前の方を叩くように心がける。
前を叩く時は撥を皮に少し長めに押し当てる。この感覚をまずはつかむ。
これだけでもすごく難しいんだな!特に押し当てる感覚をつかむのが難しい。力入りすぎてほぼ100%手首痛める。
100%ではないだろ!たぶん。
また、撥の入る角度(振り上げる角度)も後ろ撥とは異なるのでそのあたりも意識。後ろ撥は手首をぶらぶらにして上に振り上げるイメージだが、前撥は斜め直線的な軌道をイメージする。
文字ではうまく説明できないけれど、上手い人の動画を見まくれば大体わかるよ。
曲中で前撥と後ろ撥を入れるのはさらに難しい!左手が下がってくるときに前撥をしないといけないところでみんな一回は挫折する。
右手と左手の動きがあべこべになるから混乱するんだよね。
次に小指を使う練習
前回の記事にあるように、「小指を皮に押し付ける」または「小指で駒を押さえる」という技法(駒がけ)があるので、どれを取り入れるのかを決めて練習する。
構えなどが安定していないと、どうやっても無理だろ!と挫折するが、ある程度後ろ撥が出来るようになってからなら割と習得は早い。
ゆっくり、一つ一つの動作を丁寧に繰り返し練習して身体に覚え込ませるようにする。
慣れるまでは小指を当てる位置が安定しなかったり、いろいろ身体が痛くなったりする。
でも、あきらめないで!そのうちうまく出来る回数が増えてきて安定してくるから。
と同時にできればピッキングハーモニクスも意識する
前回の記事にあるように、前撥のときに親指を糸に触れさせて倍音を出す技術(音締め)を同時に意識してみても良い。
前撥のときにほぼこの音を出すという流派と、これを取り入れないという流派があるようである。津軽三味線界は自由だから、まぁ自分の好きなほうで行け~!
ただ、この技術は初心者にはかなり難しい。親指がうまく糸に触れてくれなかったり、原因不明な上に目指す音が出ないという問題に直面する。
小指を駒につけて撥を小さく上下させて親指が糸に触れるようであれば、撥の持ち方はそれほど間違っていないはずであ~る。
この音を出すために親指をスッと前にずらすプロの方もいる。動画を凝視するとわかるので探してみては?!
親指をずらすのは演奏上リスクが大きいという意見にばいろんは賛成なのだが、ずらす人もいるということは身体の特性や奏法によっては、ずらした方がいい音が出るという可能性もあるので、どちらがいいのかの答えは分からない。
最終目的は「音」だと思うので、自分の出したい音を目指して試行錯誤してみるにゃり。
初級者の前撥習得の様子(参考までに)
初心者から初級者へとレベルアップしたばいろんは前撥に手をだした!(構え方・撥の持ち方・右手の振りが安定してきてある程度曲が弾けるようになったらあなたも初級者!)
前撥に手を出して手首をやっちまう
ちなみに先生は「前撥とかまだいいから後ろ撥しっかり出来るようにしていきましょう」という指導方針。
だが早く前撥やりたくて三味線歴7~8か月くらいでなんとなく前と後ろの動きを取り入れていく。
勝手に?!大胆やな。
9・10か月目くらいで前撥の沼にハマる。手首を思いきり痛める。(前撥の時に親指に無駄な力が入りすぎているのが原因かと思われる)
痛いのは何か間違っている証拠だから無理は禁物にゃり。
11か月過ぎくらいから曲中での前撥・後ろ撥の動きだけはなんとなく出来るようになってくる。
特に六段の最後の方あたりね。最初は難しいよね~。
しばらくは小指のこと(駒がけ)や音締めなどは無視して、ただ前と後ろの動きと前撥では少しだけ撥を皮に押し当てる時間があるということだけを意識して過ごす。
小指のことも意識しだす
音澄みなどの技術の習っていく中で、次第に前撥のときの小指の動きも取り入れて行こうということになり1年半目くらいから、小指を駒につけて前撥をするようにしていく。
といってもなんとなくだけど。位置がなかなか定まらない。曲中になると上手いことできないなど問題まだありあり。
ピッキングハーモニクスに関してはほぼ出来てないような感じである。が、親指が糸にまったく当たっていない状態からは多少は改善がみられた。
前撥の角度がいまいちだったようで、どうやっても親指が糸に当たらなかったが、撥の角度を変えることによって少しマシになってきた。
このように段階的に習得していくと、後から多少は変更しなければならないことが出てくる。これが嫌な人は初めから型をしっかり習って身体に覚えさせた方が良い。
ただ初めからしっかりの方法だと基礎練習に時間がかかる上に難しすぎるので、どちらの方法が向いているかは人によると思われる。
とにかく楽しんでガンガン曲をやっていく中で技術を覚えていきたい。というタイプなので先生との相性はよい気がする。
この辺りは先生と習う側の相性と、どちらが向いているかによるにゃりね。
癖をあとから直すのは大変というのはよく聞くが、そうでもないとばいろんは思っている。変えようと意識すること・変えるのは簡単だと思うことが重要。もう変えられないと思っていると良くない。
このような感じでまだまだ前撥の沼は深そうである。
まとめ
というわけで、独学で津軽三味線をやっている人は参考にしてみて下さい。
先生に習っている人は先生を信じてついていくだけだ!
ここまで書いてまとめそれなんかい!
ただ先生に教わっていてもどうにもよく分からないということもあるので、いろんな情報があると自分にしっくりくるものがあるかもしれないよね。
前撥はおそらくしっかり習得するのにはかなりの年月を要すると思うので、気長にじっくりと付き合っていくのがいいかと思う。
初めからすべてやろうとすると無理なので、ひとつずつマスターしていくのをおすすめするにゃり。
じゃあお母さんもう寝るからね。
今年も飽きずにこれで行くのね。おやすみ。
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