おはこんばんちは。
ハンバーグは和風ソース派のばいろんです。
津軽三味線のツボとは音の高さを決めるために指で弦をおさえるところのこと。勘所(かんどころ)とも言う。
勘所ってカッコいい~。はずすことのできない肝心のところのことも勘所というのは三味線から来てるのでしょうね~。
津軽三味線のツボ(勘所)について
津軽三味線にはギターやウクレレのように棹にフレット(金属の棒部分のこと)がありません。
まったくのまっさらの棹なのよ~。
ということは、どこを押さえれば正しい音が出るんじゃい?!という話になってくるわけで。
ツボ(勘所)の数
まず津軽三味線のツボは多く使うのは19までで途中に#2つと♭1つがはいるので22ツボということになる(音は棹の限界まで出るからもっとツボはあるといえばある)。
0(上駒) 1 2 3 # 4 5 6 7 8 9 ♭10 11 12 13 1# 14 15 16 17 18 19
なんでこんな不規則に#と♭入ってくるの?しかも#は2つあって♭1つとかなんかもやもやする!
ツボの位置をどうやって決めるのか?
三味線の棹を分解するときの棹の継ぎ目の上の位置が4のツボ。下の方の継ぎ目の位置が14のツボとなるように作られている!
なんかかっこいい~。隠し扉的な?!忍者的な?!
外国人の発想か!
正確には津軽三味線の上駒(一番上の金属の部分)から下に置いた駒までの長さをなんやかんやして求める。等分に分けたりなんだり。
ラジバンダリ。
言うと思ってたよ。
とにかく上駒から下の駒までの長さのちょうど半分のところが10のツボ。
10のツボは開放弦の1オクターブ上の音が出る。なんとなく13番目のツボだからそうなるような感覚わかる?
いや、ちょっと何いってるかわかんない!
0から10のツボまでに#1つと♭1つがあるから合計13ツボで、ドレミファソラシド(CDEFGABC)は12音階(ピアノの黒鍵も入れて数えたら12音)だから13番目の10のツボが0(開放弦)の1オクターブ上の音になるという理屈。
①は順番、Cは音階、【1】は1のツボの意味だよ。
これ以上は平均律とか純正律とか周波数の話になってきちゃうので詳しく知りたい人はおググり下さい(よく分かってないからとは言っていない!)
さては、よく分かってないな!
駒の位置でツボが変わってくる楽器
三味線は上駒から下の駒までの距離によってツボの位置が変化する。駒の位置が固定されていないため、ツボの位置も正確にここだ!と決めることができない楽器なのである。
例えばウクレレは駒(弦の最後の位置)が固定されていて、さらに棹にフレットもついている。チューニングを合わせて、あとは正しい場所さえ押さえればフレットが弦を固定して正しい音程の音がでる。
一方、津軽三味線は駒の位置をどこにでもできる上に、棹にフレットがないので場所の目安がない。しかも指で押さえるだけなのでツボの場所がずれやすく、正しい音を出すのが難しい。
でもそこにシビれるあこがれるぅ~。
なんの関係もないジョジョ出してくるなよ。
ツボシール(譜尺シール、勘所シール)とは?
このようなツボの番号が書いてあるシールのこと。128円!
自分で棹に貼るか、初めから買った三味線に貼ってある場合もある。初めから4と10と14のツボの位置にだけ印がされているものもある。
ここで、ツボの位置がかっちり決められないのにツボシールがあるのはなぜ?という疑問がわいてくる。
津軽三味線の口伝え方式の歴史と現在
津軽三味線はその歴史からほぼすべての技が口伝え(ようするに見よう見まね)で伝わってきたので、駒の位置を正確にここだ!と決める決まりがない。
棹にもだいたいの目印があるだけで、耳で音を正確に判断して正しいツボを見つけるのが本来の三味線のあるべき姿なのだ。
いやでも初心者にはむーーーりーーーー。
初心者は駒の位置をどうすべきなのか?問題
だいたい胴のはじから指2~3本分くらいでOKと言われるが、そもそも人によって指の太さは違うわけで。
適当すぎないか?!
しかも駒の位置によってツボが変わり、音の大きさや弾きやすさも違ってくるという事実!
毎回自分の好みの位置に適当に駒を置いた場合、ツボの位置も少しだが変わってくる。
ツボシールを信じきっていたり、棹の継ぎ目でツボを決めていると駒の位置によっては正しい音が出せていない可能性がでてくるにゃり!!
適当で良かったのは口伝えでやってきたから
お師匠さんと対面で楽譜もなく、見よう見まねで教わってきたとすれば、駒の位置がどこであっても正しいツボが見極められるようになるはず。
耳で聞いて同じ音を出すだけだからね。
現代の津軽三味線の世界においては、この文化はすたれつつあるのではないか?!
本来であれば耳で聞いて先生と同じ音を同じように出すということに注力していなければいけないのである。
初心者さんが置くべき駒の位置はここだ
ツボシールを貼っている、または10のツボに印がある棹を使っている場合でその目印に信頼を置きたい場合、
●10のツボの印から下の駒の長さまでを上記の長さと全く同じにする(10のツボが上駒と下駒のちょうど中間になるようにする)
胴に鉛筆で印をしておくと便利。
駒が先か?ツボシールが先か?
「ツボシールに頼るな!」と言われるゆえんはここにある。ツボシールを全面的に信頼して使いたいのならば駒の位置を正確に決めなければならないのだ。
しかし、駒の位置だけでなく糸や棹の状態によってもツボの位置が変わるのが三味線。
なんてこった。
ツボシールはなんとなくの目安なだけであって、正確な音程の音を出すには耳を鍛えるしかないのであ~る。
しかしながら、初心者がツボの目安もなにもなく自主練習するのは困難を極める。はじめはツボシールに頼って目で確認するしかないのが実情。
一音一音チューナーで確認しつつ正しい音を覚えればいいわけだが、耳が鍛えられるまでには個人差があり時間がかかるのが普通。
駒の位置で音の大きさどうこうというのはまた別の話
駒の位置で音の大きさや鋭さなどに変化があるのだが、それは耳で正確にツボをとらえられるようになった人がしている話である。
初心者さんはそのことよりも、駒の位置によってツボが多少は変化するということを知っておくほうが重要。
実際にツボの位置を測定してみた
地道にチューナーでツボを探し、メジャーと定規で測ってみた。ちなみに4と10と14のツボに買った時から印がある棹。
・上駒から10のツボの印まで→40㎝
・10のツボから下の駒までを40㎝にしたときの、胴の端から駒までの距離→5㎝
5㎝がなんと指3本分ピッタシかんかんだったんですけど?!適当じゃなかったんか、あの言い伝えは(指3本分のところに駒を置くという教えのこと)。
言い伝え?!
測ってみた結果が以下である。
・上駒から1のツボ→4.8㎝
・1→2 4.15㎝
・2→3 3.6㎝
・3→# 3.9㎝ = #→4 3.9㎝
・4→5 3.35㎝
・5→6 3.0㎝ = 6→7 = 7→8 も同じく3.0㎝
・8→9 2.55㎝
・9→♭ 2.5㎝ = 10→11
・♭→10 2.3㎝
・11→12 2.05㎝
・12→13 1.75㎝ = 13→1♯
・1♯→14 1.45㎝
・14→15 2.0㎝ = 15→16
・16→17 1.5㎝ = 18→19
・17→18 1.15㎝
ちなみに、1の糸(一番太い糸)で調べた結果がこれ。3の糸でやると少し違う部分が出てくる。おそらくは3の糸が摩耗しているのと、どこかが多少勘べりしているのかもしれない(3の糸の4、6のツボあたりが怪しい)。
ただ四捨五入したらほぼ同じだからツボの押さえ方と印のつけ方の誤差の範囲内かなと。
メジャーどころのツボの距離は
・3→4 7.8㎝ = 1→3
・4→6 6.3㎝
・6→9 8.5㎝
・9→10 = 10→12 = 12→14 4.65~4.8㎝
・14→16 = 16→19 4.0~4.15
人差し指と中指で押さえるときに6と9のツボ遠いなぁと感じてたけど8.5㎝もあるのね~。
慣れてくれば指が広がるようになって押さえやすくなるのであ~る。
3と4のツボも良く使うが7.8㎝とわりと長め。4と6のツボは自然に楽に押さえられる距離間。
棹の下へ向かうほど音程をとるのが難しくなる
見てお分かりの通り、棹の下へ行くほど各ツボが仲良くくっつき始めるので、2㎜程度のずれでも半音から1音くらい音が変わってしまうのだ!
初心者が六段をやると16や19あたりのツボを外して変な音を出しがちなのは少しのツボのずれが音程の大きなずれにつながるからである。
バイオリンが難しいわけ
なんとバイオリンも棹(ネック)にフレットがない楽器。しかも棹が短い。ということは少しのツボ(ポジション)のずれで音程が大きく変わってしまうということ。
だから初心者のバイオリンは聞くに堪えない場合が多いのである。音程をとるのが難しすぎるから。
しずかちゃんのバイオリンね~。
津軽三味線でいうと14から下のツボばっかりの曲をやっているようなものかな?(バイオリンやったことないから感覚ですけど)。その辺のツボは初心者だと合ってるのか間違っているのかもわかりにくいので音が取りにくい。
ツボが少しずれただけで音程が大きくずれるので「いま音外してるな~」というのは分かるが微調節が難しい。曲中にサッと正しいツボを押さえるのが難しいのよ~。
19のツボでA♯を本当は出したいのに2ミリほどツボがずれただけで違う音(AやB)にすぐなってしまうのであ~る。
逆に3や4のツボは多少(数ミリ)押さえるところがずれていたとしても音程にそこまで影響がないので(多少の音の低い高いがあるが出したい音は正しい)、初心者さんでも音が取りやすいのだ。
駒の位置でどれくらいツボが変わるのか検証してみた
駒を指1本分、内側にずらしてみる
胴の端から6㎝のところへ駒を移動。とうぜん弦がいつも(5㎝のとき)より短くなるのでチューニングが高くなる。(これは感覚的にわかりますよね?フルートよりピッコロのほうが高い音なのは管が短いからと同じ原理)
チューニングを合わせて、いつものツボ(胴の端から5㎝のときの)を押さえると
・3や4のツボ +20くらい音が高くなる
・10のツボ +20~30くらい音が高くなる
・16のツボ G♯の音になってしまう(3~4㎜ほどツボが上にずれる)
16のツボでGが出るはずのところG♯と半音上がってしまう。棹の下の方へいけばいくほどツボのずれ(音のずれ)が大きくなる。
駒を極端に内側にしてみる
駒の位置を胴の端から8㎝に置いてみる。とうぜんチューニングが高くなるので合わせなおす。
・10のツボが5㎜以上、棹の上へずれる。
この駒の位置でいつものようなツボを押さえて演奏すると聞くに堪えない音痴な曲が完成するぞ!
駒の位置をずらす意味
駒を胴の内側にすればするほど、各ツボが上のほうへずれていく。音に関係する弦の長さが短くなるので、とうぜん各ツボの間隔が狭くなる。
反対に、駒を胴の端のほうにすればするほど、弦の長さが長くなるので各ツボの間隔が広くなっていく。
駒の位置によってその他(音が大きくなるなど)の別の変化も起きるのだが、それはまた別の話なのであ~る(耳が鍛えられてからこだわるべきこと)
まとめ
初心者は駒の位置を最初に決めて動かすな!以上(キリっ)
まとめで飽きちゃうくせが出た!
ツボシールに頼る気マンマンの人は上駒から80㎝のとろこに下の駒を設置しよう。上駒から40㎝のところに10のツボが来ていればOKだよ。(そして10のツボを押さえたときに開放弦の1オクターブ上の音が出ればよい)。
結局、耳をきたえるしかない
ツボの位置がシャキッと決まらない以上、耳をきたえるしかない。最終的には耳で聞いて正しい音を出すしかなく、それができれば駒の位置もツボの位置の目安もどうでもいいこととなる。
どうてもいい?!
ただ、初めから耳だけに頼ってというのは無理があるので、駒の位置は上記の位置(だいたい胴の端から5㎝のところに駒を置く)で固定するのをおすすめする。
ツボシールはいらない
ツボシールの通りに押さえても正しい音が出ているとは限らない。
ツボシールの利点があまり見当たらないのだ。
大まかなツボ以外は感覚や耳で覚えた方が後々、絶対に楽になる。シールの位置に頼りすぎると耳がきたえられない可能性が高まる。
まずは4、6、10、12、16、19、あたりだけチューナーで調べて(自分が固定した位置に駒を置いてから)ツボの位置を棹にマーキングしよう。
マスキングテープを貼って位置を書いたり、小さな丸シールや、修正液・マニキュアで書いてもいいかな。
鉛筆で書くとキラっと光ってわりとよく見えるよ。棹を拭くとすぐに消えるから一時的に印をしておきたいときはおすすめ。
個人的には12以降の下の方のツボの位置が難しいのでそのあたりだけツボシール貼っておいてもいいかもしれないなと思う。
また棹の上のほう(一の糸側)にだけ印をすると見る方向によっては三の糸は正しい位置が押さえられていない可能性がある。鉛筆で印から棹の上に垂直な線を書いてみると三の糸の押さえるべき場所が視覚的にわかりやすくなるぞ!
以上だぜぇ~。
スギちゃん好きやな。
疲れた~。お母さんもう寝るからね!
結局この記事の勘所はどこだったの?!
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